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#587 自分を律するための鬼十則

おはようございます。坂本です。
今日のテーマは「自分を律するための鬼十則」です。

1991年と2015年、
電通という有名な広告会社で、2人の20代の社員が自ら命を絶った事件が報道されました。
いずれも、長時間労働が原因とされています。

この事件をきっかけに「電通鬼十則」という言葉が注目されました。

鬼十則とは、1951年に電通の4代目社長・吉田秀雄さんがつくった、仕事に対する心がまえのようなものです。

たしかに
「取組んだら放すな、殺されても放すな」
など、とても過激な表現もあります。

こうした言葉が若い社員に“強制”されていたとしたら、
それはやはり、間違っていたと言わざるを得ません。

でも、あまり知られていないこととして、
鬼十則を書いた吉田社長自身はこんな言葉も残しています。

「広告の仕事は最も厳しい頭脳作業。精神と神経に適切な休養を与えないと倒れてしまう。第一に睡眠をとること」
そう、実は「休むこと」の大切さも
きちんと伝えていたのです。

けれど、時が経つにつれ
過激な言葉や、もしかしたら古い価値観だけが残り、
「休め」という言葉は忘れられてしまった。

その結果、若い命が失われてしまった――
そう思うと、本当に残念で、悲しい気持ちになります。

じゃあ、鬼十則は間違っていたのか?というと
実は、そうではないと坂本は思っています。

「仕事は自ら創るべきで、与えられるべきではない」
「仕事とは先手先手と働きかけていくことで、受け身でやるものではない」

など、今の時代にも通じる本質がたくさんあります。

当たり前だけれど、本質は間違っていない。
間違っていたのは“使い方”だったんです。

包丁だって、使い方を誤れば人を傷つける道具になる。
でも、正しく使えば、たくさんの命を支える道具にもなる。

本来は人を救うはずの教義も、
使い方を間違えれば争いや悲劇を生むこともある。

鬼十則も同じ。
誰かを縛るものではなく、自分と向き合うための言葉。
きっと、これをつくった吉田社長も、
自分を律するために作ったのかもしれません。

坂本は、今でもときどき読み返して、
「がんばり方」を見直すきっかけにしています。

まとめると、今日の話で伝えたかったのは:

✔ 鬼十則は、自分に向けた言葉であること
✔ がんばることと、自分を大切にすることは、両立できること
✔ 大切なのは、どう使うかという“姿勢”の部分

ぜひ、テキストの方に鬼十則を載せておくので、
さらっと目を通してみてください。

今日の話が、なにかの参考になればうれしいです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

<電通鬼十則 本文>

1、仕事は自ら創るべきで、与えられるべきではない。
2、仕事とは先手先手と働き掛けていくことで、受け身でやるものではない。
3、大きな仕事と取組め! 小さな仕事は己を小さくする。
4、難しい仕事を狙え! そして成し遂げるところに進歩がある。
5、取組んだら放すな! 殺されても放すな! 目的を完遂するまでは...
6、周囲を引きずり回せ! 引きずるのと引きずられるのとでは、永い間に天地の開きができる。
7、計画を持て! 長期の計画を持っていれば、忍耐と工夫と、そして正しい努力と希望が生まれる。
8、自信を持て! 自信が無いから君の仕事には、迫力も粘りも、そして厚みすらがない。
9、頭は常に全回転、八方に気を配って一部の隙もあってはならぬ!サービスとはそのようなものだ。
10、摩擦を怖れるな! 摩擦は進歩の母、積極の肥料だ。でないと君は卑屈未練になる。