MY TOWN CONCERT WITH YOU MY TOWN CONCERT WITH YOU
坂本塾おすすめの映画やドラマ

女に捨てられ家を追い出された桜井広海(反町隆史)と、仕事のミスでプロジェクトを外されてしまった鈴木海都(竹野内豊)。まったく異なる人生を歩んできた二人が、民宿「ダイヤモンドヘッド」で一緒に働くことに。ドラマを観ていた当時は、天真爛漫な広海に憧れていたけれど、大人になった今では海都の気持ちがよくわかるようになった。

「男は、女を理由に人生を決めちゃいけないと思うんだよ。それって、女にも失礼なんじゃないかな」
「将来のことはさ、誰だって不安だよ。でも、それをあえて出さないほうが、男としてカッコいいと思わない?」

この二人は、今でも坂本にとって理想の男性像です。

特に歴史においては、出来事そのもの、いわゆる「点」にフォーカスされがちだ。しかし、三谷作品では、この「点」に至るまでの「線」、つまり過程にこそ重きが置かれているように感じる。たとえば、新選組が中山道を通って京都へ向かう場面では、その道中のエピソードまでも丁寧に描かれる。本来なら省略されてもおかしくない部分だが、この「線」に焦点を当てることで、三谷流の独特な時代劇が形作られているのだ。

木更津や浅草といった町を舞台に、そこで生活する人々のドラマを描く作品。それぞれのキャラクターが、本当にその場所で暮らしているかのようなリアリティを感じさせる。宮藤官九郎さんの脚本は、独特のアイデアとユーモアにあふれている。たとえば、「木更津キャッツアイ」では野球のゲームに例えて、一つのエピソードを「表」と「裏」の二部構成で描く手法を採用。また、「タイガー&ドラゴン」では、毎回テーマとなる落語の噺をベースに、登場人物の出来事を巧妙に絡めながら、最終的に新しいアレンジ噺として仕上げている。この斬新な構成が、物語に深みと面白さを加えている。

東京・渋谷でトイレ清掃員として働く平山(役所広司)は、静かに、淡々とした日々を送っていた。同じ時間に目覚め、同じように支度をし、同じように働く。一見すると、変わり映えのない毎日の繰り返しに思えるかもしれない。
しかし、彼にとって同じ日は一日としてなく、どんな日も新しい日として丁寧に生きていた。東京の喧騒の中で、平山が見せる「毎日を丁寧に過ごす生き方」に、思わず心を動かされる。そして、きっと最後にはこう思うだろう。
こんなふうに生きていけたなら」と。

日本がもっと遠く、もっと美しく感じられた時代。フーテンの寅こと車寅次郎が、ふるさと葛飾・柴又に戻っては大騒動を巻き起こす人情喜劇「男はつらいよ」。中でも、この「純情編」は、ふるさとについて寅さんが思いを巡らせる物語だ。寅さんの「故郷ってやつはよ…」という言葉が、電車の音にかき消されるラストシーンは、静かに、しかし強く心を揺さぶる。